(質問)共有不動産の共有持分権利者に対して債権を有しています。債権回収をするのによい方法はありませんか?


(解説)

貸したお金を返してくれない場合、慰謝料、養育費、損害賠償金を支払ってもらえない場合、相手の財産を差し押さえてお金を回収することができます。

このような相手の財産を調べたら、不動産を持っているけど共有持分だったということがあります。

このような時に、共有不動産の共有持分を差し押さえて競売手続をとることはできます。

でもこの競売手続で落札する人が手に入れることができるのは共有不動産の共有持分です。

それだけですぐに家を建てて住んだりすることはできないので、不動産全部を差し押さえる場合と比べて落札する値段は安くなり、お金が全額回収できない可能性があります。

このような共有不動産の共有持分しか財産を持っていない人からも効果的に債権回収をする方法があります。

それが、債権者代位権を使って共有物分割請求をするという方法です。

共有不動産の共有持分権利者からの債権回収をお考えの方、
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債権者代位権とは

債権者代位権とは、債権者が自分の債権を保全するために債務者が持っている権利を行使できる権利のことといいます。

債権者代位権の要件は、

①債務者に対して債権を有していること
②代位行使する権利が債務者のみが行使できる権利でないこと(一身専属権といいます)
③債務者が無資力であること
④債務者が自ら権利行使に着手しないこと

です。

共有物分割請求権の代位行使

共有物分割請求権が債権者代位権に基づいて代位行使できるかについて、まず①の債権を有していることは債務者に請求するために当然の前提となりますので特段問題とはなりません

そして②について、この共有物分割請求権が②の債務者のみが行使できる権利にあたらないかという問題があります。

この点について最高裁判例はありませんが、共有物分割請求権が債務者のみが行使できる権利ではないと判断した東京地裁平成25年2月8日の判決があります。

③の無資力についてですが、共有持分権利を有していたとしても持分競売によって債権全額回収に満たないのであれば無資力と認められます。

債権者代位権によって共有物分割請求権を代位行使した結果

債権者が債権者代位権の行使に着手し、その旨を債務者に通知すると債務者は通知を受けた以降代位行使を妨げる処分ができなくなります。共有物分割請求権の代位行使の場合は共有持分権の処分ができなくなります。

債権者、債務者、債務者以外の共有持分権利者と間で和解協議が成立すれば持分売却代金又は共同売却による売得金から債権回収をすることができます

判決になった場合、他の共有持分権利者が債務者の共有持分を取得して代償金を支払うという内容の全面的価格賠償を命じる判決になった場合、債権者は本来債務者が取得すべき代償金を債務者ではなく債権者である自分に直接支払うよう命じてもらうことができます。先ほど述べた平成25年の東京地裁の判決もそれを認めています。このように直接支払いを命じてもらうことができることから効果的な債権回収ができます。

競売を命じる判決の場合は、競売による売得金は持分権利者において持分割合に応じて取得することになります。ただし競売手続で配当要求の手続をとることによって、債権者は債務者が得る売得金から先に債権回収をすることができます。

このように債権者代位権に基づく共有物分割請求権の代位行使によって債権回収をすることができます。しかも単純に持分競売をするよりも効果的な債権回収ができます。

福本法律事務所では、債権者代位訴訟及び共有物分割請求に強いた弁護士が、不動産共有持分を持っている人に対する債権回収のご相談をお受けします。お気軽にご相談ください。


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著者:弁護士・福本 悦朗
東京弁護士会所属・福本法律事務所代表弁護士
共有不動産の持分売却に関して10年以上の実績を持つ。
1992年 早稲田大学卒業
1994年 司法試験合格
1997年 弁護士登録
2001年 福本法律事務所開設

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