共有物分割請求の調停とは

共有物分割の調停とは、共有の解消方法について裁判所で話し合いをすることです。

調停手続きでは、主に調停委員2名が調停室といって狭い会議室のような部屋で話を個別に聞き(相手方が席を外した状態で)、当方の話が終わったら当方が席を外して相手方の話を聞くという形で手続が進められます。申立人と相手方はそれぞれ別の待合室で待機する形にはなります。

双方の話を聞き、話し合いがまとまれば調停が成立して調停調書がつくられます。話し合いが成立しなければ不調となって手続が終了します。共有物分割を求めるには改めて地方裁判所に共有物分割請求訴訟を提起する必要があります。

共有物分割請求の調停申立をおすすめできない2つの理由

理由1 調停委員が共有物分割請求を理解していないことが多い

共有物分割請求の事例そのものが多くないことから共有物分割請求をよく理解している調停委員は少ないです。共有物分割請求をよく理解している人が調停委員になれば訴訟になったらどうなるかという見通しをキチンと伝えることができるのでそれを踏まえて話し合いを成立させることも十分可能と思われますが、ほとんどの調停委員は共有物分割請求をよく理解していないため、当事者の話を相手方に伝えるだけで終わってしまうことが多いものと思われます。そうするとせっかく裁判所に調停申立を行っても話し合いを成立させることは非常に難しいものと思われます

理由2 共有物分割請求訴訟では調停の結果は全く反映されない

調停が成立せずに不調で終わった場合、共有物分割を行うには改めて地方裁判所に共有物分割請求訴訟を提起する必要があります。遺産分割ですと調停不調になっても調停を踏まえて即座に審判言い渡しをすることも可能なのですが、共有物分割請求訴訟では調停の結果は全く反映されないので調停で議論を行っても全く無駄となってしまいます。

共有物分割請求調停を申し立てられた方へ

調停申し立てられたということで不安を感じている方もおられると思いますが、以下の点にご留意いただければと思います。

調停の結果は訴訟に反映されないので欠席することによる不利益はない

調停に出席しないと不利に取り扱われるという心配をされる方もおられますが、出席しない場合は調停が成立せずに終了するだけです。共有物分割請求訴訟が提起される可能性が高くなりますが、調停の結果は訴訟に反映されないので欠席することによる不利益というものはありません。

共有物分割請求を理解していない調停委員が選任されていることが多い

調停手続では調停委員が話し合いを進めてきますが、この調停委員は共有物分割請求を理解していないことが多いです。そのため調停委員の話は調停申立をした人の話を鵜呑みにして話をしてくることが少なくありません。調停委員の話がそのような話である可能性が高いということを理解した方がよろしいかと思います。

調停できちんと対応するには共有物分割請求に強い弁護士に相談することがお勧め

そもそも調停結果が訴訟に反映されないので調停に出席する必要はないのですが、訴訟提起されるのを嫌がって調停出席しようとする方もおられると思います。
ただ調停に出席しても、調停委員が共有物分割請求を理解していないことが多いことから、調停申立をして人の主張がさも正しいかのように進められてしまうこともあるかと思います。
そのような状態で調停での対応に不安を感じておられるのであれば共有物分割請求に強い弁護士に相談されることをお勧めします。

著者:弁護士・福本 悦朗
東京弁護士会所属・福本法律事務所代表弁護士
共有不動産の持分売却に関して10年以上の実績を持つ。
1992年 早稲田大学卒業
1994年 司法試験合格
1997年 弁護士登録
2001年 福本法律事務所開設

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