(質問)共有不動産・共同名義不動産を時価で売却できませんか?


(解説)

共有物分割請求とは


不動産を2人以上で共有している場合に共有状態を強制的に解消することを求める権利です。共有者のうちの1名が共有状態の解消を希望して共有物分割請求をした場合は共有状態を解消しなければならないことになります。共有物分割請求についての詳しい解説はこちらをごらんください

共有物分割請求をすると共有不動産が時価ないしこれに近い値段で売却できる理由


共有者の1人が共有物分割請求をした場合、何らかの方法で共有状態を解消しなければならないことになります。何も手段を講じないと裁判所から共有不動産全体に対して競売を命じる判決が下され共有不動産を失う可能性が高くなります

現物分割といって不動産を物理的に2つ以上に分ける方法が考えられます。これは共有を解消する方法の原則とされますが、分譲マンションの場合や土地が建物の敷地となっている場合には現物分割をすることができません。物理的に現物分割ができそうな場合であっても例えば建ぺい率や敷地最低面積の関係で建物を建てられない場合は価格を著しく減少させるおそれがあるということになって現物分割をすることはできません。逆に言えば例外的に現物分割ができる場合は分割をしても価格を著しく減少させるおそれがないことが前提となっていますので、現物分割を受けた後で自分の単独所有となった不動産を売却することができるようになり、結果的に時価ないし時価に近い値段での売却が可能となります。現物分割についての詳しい解説はこちらをごらんください。

次に代償分割が考えられます。これは他の共有者が代償金を支払うことによって共有を解消する方法です。代償分割が行われる場合の代償金は不動産の時価として算出されることになります。共有持分を第三者に売却する場合は共有持分を買い取っても不動産を自由に使用収益処分ができないという制約があることから時価よりも低い金額(競売事件では持分競売の場合30%マイナスで計算されます)で評価されますが、共有物分割請求で代償分割を行う場合は持分を取得する共有者は不動産の使用収益処分に制約がないと考えられるためマイナス評価をする理由がないことになります。このため時価での売却が可能となる訳です。代償分割についての詳しい解説はこちらをごらんください。また代償分割で共有補正をせずに時価で算定される理由はこちらをごらんください

現物分割も代償分割もできない場合は換価分割をするしかありません。これは共有不動産を売却して売却代金を持分割合で分配する方法です。当事者間で任意売却ができれば時価ないし時価に近い値段で売却できることになります。ただ感情的な対立が激しい場合任意売却ができずに裁判所から競売を命じる判決を取得して競売で不動産が売却される場合もあります。競売だと不動産が時価よりも大幅に安い値段で売却されるのではないかという心配をされる方もおられますが、令和3年時点での競売市場をみる限りでは時価ないし時価に近い値段で売却されているのが大半であり大幅に安い値段で売却されるケースは稀です.換価分割の詳しい解説はこちらをごらんください。

このように、共有物分割を請求をすると共有状態を解消せざるを得なくなります。何もせずに放置すると裁判所としては競売を命じる判決を下すほかなくなります。その結果、現物分割、代償分割などで時価で売却できることになりますし、仮に競売を命じる判決が下されて競売になっても大半は時価ないし時価に近い値段で売却されているので、共有不動産の時価ないし時価に近い値段での売却が可能となります。

共有不動産を売却したいが他の共有者から拒絶されたとか、他の共有者から安い値段での買取しか応じてもらえないという悩みをお持ちの方は共有物分割請求に強い弁護士福本にお気軽にご相談ください。


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