共有物分割請求訴訟の不動産鑑定

不動産の評価について当事者間の価格合意を目指すものの、当事者間の対立が激しく価格合意できない場合は不動産鑑定を行わざるを得ません。

このように言うと当事者がそれぞれ不動産鑑定士を頼んで不動産鑑定書を提出すればよいのではないかという意見を持つ方もおられますが、当事者が頼んで不動産鑑定士による鑑定書では頼んだ当事者の意向が反映して相場よりも高いあるいは低い鑑定書が作成されることが多いと裁判所がみていることから当事者が依頼した不動産鑑定士による鑑定書の金額で不動産価格が判断されることは殆どありません。このような事情があることから当事者が不動産の価格についての意見を述べる時は不動産業者の査定書を用いることが多く、不動産鑑定士の鑑定書を用いることは多くありません。

このため当事者による評価合意ができない場合の不動産鑑定は原則として裁判所が選任する不動産鑑定士による鑑定評価となります。

この手順としては主に全面的価格賠償を求める側が裁判所に鑑定申出書を提出するのが通例です。

裁判所が鑑定事項を検討し相手方の意見を聴取した後に裁判所は鑑定の候補者を選任して当事者に候補者を選任してよいかの意見を聴取します。これはどちらか一方の当事者と特別な利害関係を有する場合には公平な鑑定を行うことが期待できないことから、そのような事がないかを確認するためです。

双方は鑑定人候補者の選任に問題がないという意見を述べた後に裁判所から鑑定人候補者が述べた鑑定費用の見積額を予納金として納付するようにと鑑定申出を行った側に指示を行います。当事者双方で持分割合に応じて鑑定費用を負担するという合意が成立すれば合意に従って費用負担を行いますが、合意が成立しない場合は鑑定申出を行った側が鑑定費用の予納を行います。

この費用ですが、対象不動産の性質と選任される不動産鑑定士によって金額に違いを生じます。私の経験では最少で20万円を下回った事例と最大で100万円になった事例がありますが、50万円から60万円という事例が多いです。

鑑定費用の予納を行った後で不動産鑑定士が鑑定を行います。鑑定費用の予納金が納付されて鑑定書ができあがるまでの期間はだいたい2ヶ月程度となるのが通例です。その間は訴訟の期日は開かれずに期日は追って指定という状態になっています。

不動産鑑定士から鑑定書が裁判所に提出されたら両方の当事者が裁判所から鑑定書を受領します。そして鑑定書の内容を検討した上であらためて訴訟の期日指定が行われます。

鑑定書提出後の最初の期日では裁判所から鑑定書の内容を争うかどうかについて双方の意見聴取が行われます。争う場合には争う内容を記載した準備書面を提出することになります。

争わない場合は、全面的価格賠償の判決を求める側は鑑定書に基づく金額の支払能力を証明するために預金の残高証明書などの証拠を提出して代償金支払能力の証明を行います。また出された金額で和解をするという協議がされていた場合は和解協議を行います。

その結果訴訟上の和解が成立することもあれば判決言い渡しとなることもあります。

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