(質問)競売手続きをとっている共有不動産に共有者が居住していても不動産は安く売却されませんか?
共有不動産に共有者が居住していても不動産が安く売却されるということはありません。居住者がいることが減価要因となっていない理由は競売手続の競売不動産買受人には引渡命令といって居住者に対して簡単に明け渡しを求めることができるような制度を設けているからです。
これは競売だと不動産が安く売却されないかという質問に関連するのですが、結論からいうと共有不動産に共有者が居住していても不動産が安く売却されるということはありません。
競売手続きで競売不動産の評価が裁判所から選任された評価人によって行われるのですが、その評価人が作成した評価書においても居住者がいることは減価要因とされていないのが一般的です。
居住者がいることが減価要因となっていない理由は競売手続の競売不動産買受人には引渡命令といって居住者に対して簡単に明け渡しを求めることができるような制度を設けているからです。引渡命令という制度がないと建物明渡請求訴訟を提起して裁判所から明渡を命じる判決を取得してその後に強制執行手続で明渡を強制することになるのですが、引渡命令によって簡単に明渡の強制執行ができるようになっているのです。このことから居住者がいても減価要因とはならず、居住者がいることによって売却価格が下がるとは考えにくいということになるのです。
共有物分割請求のよくある質問
- 他の共有者に持分を買い取るよう請求できませんか?
- 不動産に抵当権が設定されていても共有物分割請求できますか?
- 共有不動産に他の共有者が居住していても共有物分割請求できますか?
- 競売手続きをとると不動産が安く売却されませんか?
- 土地だけが共有で建物は他の共有者が単独で所有して他の共有者が居住している場合でも共有物分割請求できますか?
- 競売手続きをとっている共有不動産に共有者が居住していても不動産は安く売却されませんか?
- 共有状態が解消されるまでにどれくらいの期間がかかりますか?
- 共有物分割請求の競売手続きに共有者が参加して不動産を買い取ることができますか?
- 早く共有持分の代金を得たいのですが何かよい方法はありませんか?
- 死亡した人の法定相続人ですが、遺言もなく遺産分割協議も成立していない状態で共有物分割請求できますか?
- 共有物分割請求が権利濫用になりませんか?
著者:弁護士・福本 悦朗
東京弁護士会所属・福本法律事務所代表弁護士
共有不動産の持分売却に関して10年以上の実績を持つ。
1992年 早稲田大学卒業
1994年 司法試験合格
1997年 弁護士登録
2001年 福本法律事務所開設