(質問)不動産に抵当権が設定されていても共有物分割請求できますか?


(解説)

これもよくある質問です。結論からいうと不動産に抵当権が設定されていても共有物分割請求をすること自体は可能です。

ただ、注意点はいくつかあります。

一つは、この不動産を他の共有者が買い取ることになった場合です。抵当権で担保されている債務の債務者が買い取った共有者であればそのままでも問題はありません。

これに対して、持分を売った人が抵当権の債務者となっている場合、買主は抵当権がそのままだと他人の債務を担保する不動産を取得することになり債務の弁済がされないと最悪競売によって不動産を失う危険があります。

このため持分の売買代金の中から抵当権債務を完済して抵当権を抹消するのが通例です。

もう一つは、競売を命じる判決が出て共有物分割請求による競売手続きが行われた場合です。

この場合でも競売手続きをとること自体は可能なのですが、競売手続きで定めた売却基準価額(評価人の算出した時価の7割(東京では8割))の80パーセントと定めて買受可能価額によって抵当権で設定された債務の完済ができないと判断された場合は、原則として競売手続きは取り消されることになります。

これを無剰余取り消しといいます。

持分権利者に対する剰余金(分配金)がない競売手続きを続けるのは無益であると考えているのと抵当債務が完済されない状態で競売手続きがとられて抵当権が抹消されてしまうのは抵当権者にとって酷であると考えられているためです

このように、抵当権が設定されていても共有物分割請求自体は可能ですが、上記の点に注意が必要となります。

共有物分割請求のよくある質問


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