名義貸しローンによって生じる問題

名義貸しローンによって生じる様々な問題について解説します。

名義を借りてローンを支払っている人がローン名義人にローンの立替払いをしたとして返還請求できるか

ローンの名義貸しは、ローン名義人に代わってローン支払いをすることを約束することを前提に名義を借りるものなので、名義を貸し借りする人の関係がいいうちはこのような問題は起きません。
問題は、ローン名義を借りる人がローンの支払いをできなくなったり、あるいはローンの支払いができていてもローン名義を貸した人がローンを解消するため共有物分割請求をするなどによってローンを支払って不動産に住み続けることができなくなった場合におきます。要するにローンの名義貸しをしている場合、形式的にはローン名義人の代わりに名義を借りている人がローンを支払っているので、ローンの立替払いをしたとして立替金を返すように請求することが理論上は可能になってしまうのです。
しかし、ローンの名義貸しをしている場合、名義貸しをしている人に不動産の共有持分があるのが通常であり、その持分を法律上の理由がなく利用しているとして名義を貸した人から不当利得返還請求される可能性もあります
もっと突っ込んで考えると、名義借りをして名義を貸してくれた人に共有持分がある不動産を利用する場合、不動産の賃料相当損害金を支払う代わりに、ローン名義人のローンを払っているものととらえることもできると思います。これが名義貸しローンを利用している通常の人の合理的な意思に合致しているのではないかと思います。
この名義貸しローンの支払額と賃料相当損害金の金額のバランスがとれなければ別ですが、そうでない限りは、賃料相当損害金の代わりに名義貸しローンを支払っているものと考えると、名義貸しローンを立替払いをしたとして返還請求をすることはできないのではないかと考えます。

不動産の所有権は名義を貸した人にあるか、名義を借りた人にあるか

ローンの名義を借りてローンを支払っている人から、ローンの支払いをしていることを理由に不動産の実質的な所有権が名義を借りている人にあると主張されることがあります。
このような名義貸しローンが行われた場合に所有権が名義人にあるか、ローン支払者にあるかが争われた東京地方裁判所平成28年5月19日の判決では以下のような判断がされています。
「名義を借用して不動産を購入した場合は,不動産の所有権は名義人と名義借主との間の合意で所有権の帰属が定まるものと解するのが相当であり,名義人と名義借人との間の合意において,不動産が名義借人に帰属することが合意されていれば,その合意に基づき,名義借人の所有とすることになる。名義貸しであることを理由に名義借主が直ちに所有者となるものではない。一般に名義借人が購入代金及び諸費用を全額負担する場合においては,特段の事情がない限り,上記合意があったことが推認される。しかしながら,購入代金を名義人が借入金で調達し,その返済を名義人がしている場合においては,直ちに不動産の所有権を名義借主に移転する意思があったと推認することはできない。借入金の返済債務を名義人が負担している以上,返済が滞った場合において,当該不動産を処分するなどして,借入金の返済に充てる必要があり,少なくとも借入金の返済がされるまでは,当該不動産の所有権を名義人に留保しておく利益がある解されるからである。上記の利益を放棄したと認められる事情がないときは,当該不動産の所有権は名義人にあると解するのが相当である。」
つまり名義借りをしている人がローンを支払う約束をしていたとしても、返済が滞った場合にローンの支払義務を負うのは名義貸しをした人であることから、ローンの支払が終わるまでは名義貸しをした人に所有権があると解釈すべきものとしています。
名義貸しの実態に合った判断であり妥当と考えます。

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