(質問)私が居住していない共有不動産に居住している人に対して賃料請求できませんか?
他の共有者との間で賃貸借契約を結んでいれば賃料請求することは可能ですが、親族間で物を無償で使用することを許容しているという事実関係があれば契約書がなくても黙示の使用貸借契約が成立したものと解釈されることが多く、賃料請求ができないことになります
不動産の共有持分を有している人から共有不動産に居住している他の共有者に対して賃料請求できないかという相談を受けることもよくあります。
他の共有者との間で賃貸借契約を結んでいれば賃料請求することは可能です
しかしこのような相談をされる方の場合賃貸借契約が結ばれていることはないと思います
この場合はどうなるかというと、他の共有者が法律上の原因なく居住していない共有者の持分を使用している場合は不当利得となるので不当利得返還請求が可能となります。そしてこの不当利得の金額は賃料相当額となるので、不当利得返還請求権が認められれば賃料請求が認められたのと同じような結果となります
問題はこの法律上の原因です.使用貸借契約要するに無償で物を使用することを認める契約ですが、使用貸借契約が締結されていれば法律上の原因があることになるので不当利得になりません
このように言うと、居住している共有者との間で使用貸借の契約書を作成していないよと言われるのですが、裁判所では親族間で物を無償で使用することを許容しているという事実関係があれば契約書がなくても黙示の使用貸借契約が成立したものと解釈することが多いです
そうすると、黙示の使用貸借契約が成立したと解釈されることが多く、その結果不当利得にならず、賃料相当額の請求が認められないことが多いことになります。
共有不動産の関連ページ
- 共有不動産トップページ
- 遺産分割協議によって共有不動産を取得しましたが、この共有状態を解消できませんか?
- 遺言によって特定された共有不動産を取得しましたが、この共有状態を解消できませんか?
- 親子で共有の二世帯住宅を建てたのですが、この共有状態を解消できませんか?
- 離婚した元夫や元妻との共有不動産がありますが、この共有状態を解消できませんか?
- 名義貸しローンで共有不動産を取得しましたが、この共有状態と名義貸しローンを解消できませんか?
- 遺留分減殺請求で共有不動産を取得しましたが、この共有状態を解消できませんか?
- 土地の共有名義の解消方法
- 共有不動産・共同名義不動産の時価売却
- 共有不動産で他の共有者の持分を買い取りたいのですが、買取に応じてもらえません。何かよい方法はありませんか?
- 共有不動産から発生する賃料収入を共有者の1人に独占されています。賃料の分配を受ける方法はありませんか?
- 私が居住していない共有不動産に居住している人に対して賃料請求できませんか?
- 共有不動産に居住している共有者から持分割合に応じた固定資産税の負担を求められました。応じなければいけませんか?
- 共有不動産で他の共有者の持分が競売にかけられました。どうすればよいですか?
- 共有不動産の持分を共有持分買取業者に売却することを考えています。弁護士に共有物分割請求を依頼した場合との違いは何ですか?
- 共有不動産で他の共有者の持分を買い取った不動産業者から交渉を持ちかけられました。どうすればよいですか?
- 当方は不動産会社です。共有不動産の共有持分を買い取ったのですが他の共有者との交渉がうまくいかなくて困っています。
- 共有不動産の共有持分権利者に対して債権を有しています。債権回収をするのによい方法はありませんか?