共有物分割請求の金銭問題

共有物分割請求を行うなど共有不動産で紛争を生じる理由として、共有者の1人が現金化を希望すると他の共有者が共有不動産に居住できなくなる場合があるということがありますが、仮に居住の点に問題がないとしても金銭問題が発生していることによって紛争を生じている事例も多いです。

このため共有物分割請求を解決するには単純に分割方法を決めればよいというものではなく共有物分割請求という問題を生じさせた金銭問題や共有物分割請求にともなって発生した金銭問題も解決する必要があります。

金銭問題が生じる例としては以下のものがあります。

1つは、共有不動産に共有者の1人が居住しているが他の共有者は共有不動産に居住していないという事例です。居住している共有者は居住の利益を受けているのでよいのですが、居住していない共有者にとっては不動産共有持分を持っていても居住利益を得て折らず、共有持分を持っていても意味がないと考えます。このことから居住している共有者に対して賃料を支払って欲しいと考えてトラブルになることがあります。

この場合、非居住共有者の居住共有者に対する賃料請求が認められるかですが、居住共有者が非居住共有者との間で共有不動産を使用することについて何らの契約を締結していないという場合は法律上の原因がなく不動産を使用していたことになるので不当利得返還請求が可能となります。不当利得額は仮にこの不動産を第三者に賃貸した場合に得ることが出来る賃料相当額と同額になります。

ただし、元々この不動産が亡くなった父親所有で父死亡後に2人の息子が相続した場合で長男のみが父親と元々同居したという事案では父親と長男との間で不動産に居住することを容認していたという関係があることから黙示の使用貸借契約が成立したものと解釈されます。これは父親の遺産分割協議成立時まで有効と解釈されることからそれまでについては不当利得ではなく賃料相当額の請求はできないことになります。

従って、このような事案では原則として賃料相当額を不当利得として請求できるが、黙示の使用貸借が成立したと評価される場合には不当利得ではないことになり請求できないことになることに注意が必要です。

また居住共有者と非居住共有者がいる事案で居住共有者がマンションの管理などの経費や固定資産税を支払っている事例が多いです。このような事例で紛争を生じた時に居住共有者から非居住共有者に対して持分割合に応じた管理費や固定資産税の負担を求めたいと希望される事があります。

これは一見すると正しいようにも見えるのですが、当事者間の合理的意思としては居住共有者は不動産を単独使用しているから管理費や固定資産税を負担しているものとみるべきなのです。要するに非居住共有者の持分を使用する対価として管理費や固定資産税を負担しているものとみるべきなのです。とすれは非居住共有者に対して管理費や固定資産税の負担を求めるのはおかしいことになります。また仮にこれを求めようとすると非居住共有者から賃料相当額の不当利得を請求される可能性が高くなります。この金額は居住共有者が負担している管理費や固定資産税額よりも高額であることが通常です。このことを説明して居住共有者による非居住共有者に対する管理費や固定資産税の負担請求を断念させていることが通常です。

このように法律を形式的にみると請求が認められるよう見えるものであっても、当事者の合理的意思を前提に考えると請求を認めるのがおかしい事案も結構あるように思います。共有不動産をめぐる紛争を激化させないためにも形式的に法律を適用することなく当事者が何故そのような事を行ったのかを考察することで判断するのがよいと思います。

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