昭和60年頃の相続不動産で相続手続をとらずに法定相続人が30名に増えた事案で共有物分割請求訴訟で他の共有者から持分を買い取り単独所有にした事例
共有不動産 栃木県の山林
これは元々依頼者が2分の1の共有持分を有してた不動産でもう1人の共有者が昭和60年頃に死亡してその兄弟姉妹が相続した事案です。この不動産に殆ど財産的価値がないことから相続手続が行われないまま放置されていました。これを他の相続人から全て買い取って単独所有という形で財産整理をしたいと希望され、当職が共有物分割請求の依頼を受けました。
もう1人の共有者の相続人調査に時間と費用がかかりましたが30名の相続人を発見することができました。この相続人に対して「固定資産税評価額で買い取りたい。できるだけ手間をとらせないようにするので全面的価格賠償を求める訴訟を提起して判決に基づいて買い取らせていただく」旨の通知書を送付しました。相続人からは特段の異議の意見が述べられなかったため共有物分割請求訴訟を提起し、当初の予定どおり固定資産税評価額で持分を買い取る内容の全面的価格賠償を命じる判決が出されました。判決確定後想像族人に対して代償金の振込先口座を知らせるよう手紙を送付しました。29名からは振込先口座を知らせる返答があったのですが、1名から返答がなかったため近畿地方にあった相続人宅を訪問して弁済提供を行い不在であったため法務局に供託の手続をとりました。その上で裁判所に振込の控えと供託書を提出して執行文の付与を受けて他の相続人全員から持分移転登記を受けることができました。
このように当事者が多数にのぼる困難な案件でも費用はかさむものの共有関係を整理することができますのでお悩みの方はお気軽にご相談ください。
【交渉で他の共有者から共有持分を買い取った解決事例】
・高齢の依頼者がリバースモーゲージで不動産担保ローンを組んで持分を買い取った事例
・判決で持分強制買取が可能であることを示すことによって、他の共有者からの持分買取に成功した事例
・依頼を受けて約2ヶ月で他の共有者から持分を買い取って単独所有となった事例
・10名以上で共有していた借地権付建物について他の共有者の持分を買い取った事例
・区分建物を兄弟2人で共有していた事案で、居住している共有者が居住していない兄の持分を買い取った事例
・兄弟間の対立で共有不動産の売却ができなかった事案で、妹の持分を買い取った事例
・兄弟で土地を共有していた事案で、共有物分割協議の申し入れで弟の持分を買い取って自己の単独所有の不動産とする形で解決した事例
【訴訟で他の共有者から共有持分を買い取った解決事例】
・持分買取業者の共有物分割請求訴訟に対して持分買取の和解を成立させた事例
・共有物分割禁止特約があることを指摘して時価より3割程度安い金額で相手の持分を買い取った事例
・互いに取得を希望していた共有不動産の取得ができた事例
・複数の共有不動産のうちの1棟の土地建物を単独取得し、他の不動産を他の共有者の共有とするという形で共有関係を解消した事例
・共有者の1人が他の兄弟との共有土地上に娘夫婦との二世帯住宅を建てている事案で共有物分割請求訴訟で他の兄弟から持分を買い取った事例
・昭和60年頃の相続不動産で相続手続をとらずに法定相続人が30名に増えた事案で共有物分割請求訴訟で他の共有者から持分を買い取り単独所有にした事例
・兄弟4名で4つの不動産を共有していた事案で、1つを依頼者単独所有とし残り3つを他の兄弟の共有とする形で解決した事例
・親子でテナントビルを共有していた事案で、共有物分割請求訴訟を提起して金融機関から融資証明書の交付を受けることによって全面的価格賠償を命じる判決を取得し依頼者の単独所有とする形で解決した事例
・自宅を建てる際に親に購入資金の一部を負担してもらい土地建物を共有していた事案で、共有物分割請求訴訟を提起して全面的価格賠償を命じる判決で親の持分を買い取って依頼者の単独所有とする形で解決した事例
・自宅を建てる際に親に購入資金の一部を負担してもらい土地建物を共有していた事案で、共有物分割請求訴訟を提起して全面的価格賠償を命じる判決で親の持分を買い取って依頼者の単独所有とする形で解決した事例
著者:弁護士・福本 悦朗
東京弁護士会所属・福本法律事務所代表弁護士
共有不動産の持分売却に関して10年以上の実績を持つ。
1992年 早稲田大学卒業
1994年 司法試験合格
1997年 弁護士登録
2001年 福本法律事務所開設